事例紹介・コラム

NRI(野村総合研究所) × IES(インテリジェンス エグゼクティブ サーチ) 特別対談 次世代型エグゼクティブの創出 -エグゼクティブの育て方・迎え方-

第2回 育て方:エグゼクティブ・コーチングの実際

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最適解を"教える"コンサルティング、最適解を"引き出す"コーチング

経営コンサルティングのアプローチと、エグゼクティブ・コーチングのアプローチは具体的にどのように違うのですか。

永井

経営コンサルティングはお客様の経営環境や内部環境、顧客のニーズなどを客観的に、かつ徹底的に分析して、自分たちが最適解だと思ったものを示します。例えばお客様から新規事業を検討したいと言われれば、将来性豊かな介護ビジネスからメガソーラーまで幅広い観点で顧客に事業案を提案します。

一方で、エグゼクティブ・コーチングのアプローチは、自社の存在意義について今一度、再整理しましょう、というところから始めます。どんな人を喜ばせるビジネスをしたいのか、どんな社会的課題を解決したいのか、そのために活用できる自社の強みやリソースは何なのか。このような質問をひたすら問いかけ掘り下げます。そんなプロセスを通じて、お客様自身が最適解を見つけられるようにサポートするのです。

本人にとって最適な解は何なのか、ということですね。自分が提示する解は、正しいことなのかもしれない。でも、本当に本人がやりたいことなのか、押し付けてしまってないか。お客様自身も、経営を左右する重要な決断を外部にポンと任せてしまっていいのか。そういう葛藤はありますよね。

永井

繰り返しになりますが、コーチングはコンサルティングと違い、何かを教えたりするのではなくお客様が考えることをサポートしているだけです。さまざまな手法を駆使しながらコミュニケーションを取って、最適解を一緒に導き出します。

それでもやっぱり、つい「こうしてほしい」という方向に誘導してしまうときはありませんか。

永井

卓越したコーチほど、仮説を持たず、誘導もしないと思います。特にエグゼクティブコーチはそうあるべきです。お客様本人の判断に自信がある時は、そのまま実行すべきだと思いますが、悩んでいる時はコーチングの出番です。例えば「ユーザーの支持を得るために、こういうことをやろうと思うんだけど、どうかな」と言われた場合は他にどんな選択肢があったのか聞きます。そしてうまくいっている他の企業はどうやっているか、その戦略を実施した場合、お客様はどう思うのか、どういう状況がお客様にとって最良なのかなど、さまざまな質問を投げかけることで、視野を広げ、客観的に考えるお手伝いをします。そして最終的には選択肢を狭めていき、決断してもらう。こんな流れですね。万が一その判断に違和感がある場合は、「コーチとしてではなく、コンサルタントとしては違和感があります」と伝えるようにしています。

なるほど。コンサルティングとコーチングがよく理解できました。ビジネスコーチは今後、日本でどのように広がっていくとお考えですか。

永井

今後、私たちの仕事は増えていくと思います。なぜなら今までの経営者は社内から生まれることが多かったのですが、これからは社外から経営者が招かれるケースも増えるはずです。社外から来た経営者が、社内で相談相手をすぐに見つけることは難しいと思います。そこで私たちが必要になるはずです。また、事業の統廃合やリストラなど、社内では相談できない難しい経営判断を迫られる時も、外部のコーチが必要になるはずです。

本当はどうしたいのか? コーチングの意味は、ビジョンや価値観を引き出すこと

エグゼクティブ・コーチングのニーズが増えている背景には、企業にとって意思決定の重要性が増しているという現状がありそうですね。

永井

意思決定に関して言うと、より自分の価値観による意思決定の必要性が増していると思います。これまでの経営環境は市場拡大・売上拡大・コスト削減・競合優位などの大きなフレームがいくつか設定されていて、それにフィットするのかしないのかというある種シンプルな判断で良かった。しかし現在の経営環境では、既存のフレームを超えて、誰も思いつかないようなアイデアの発案と実行、つまりイノベーションが求められるので、エグゼクティブとしては「自分にとって何が大切か、本当にやりことは何か」を起点に意思決定しなければなりません。別の言い方をすればエグゼクティブ自身が自分の価値観を分かっていないと意思決定できない。だから、そこにエグゼクティブ・コーチングの必要性が出てくるわけです。

先日、永井さんにコーチングしてもらって実は一番衝撃的だったのが、この自分の価値観で経営判断するという点でした。「森さん、ところでこの仕事は好きですか、嫌いですか」と聞かれたのには驚きました。ビジネスにおいて、自分のやりたいことや好き嫌いの価値観を判断軸にするのかと。非常に新鮮でした。

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第7回

エグゼクティブの実際
2014年3月3日公開
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